エコー検査
心血管エコー
当院はPhilips社製 超音波装置を使用しています
超音波装置による心臓の検査で分かる事
大きさや形
心臓病の中には心臓のサイズが大きくなったり変形する場合などがあります。一般的に、心臓が大きくなったときは心臓が弱っていることが多いため、各部位の大きさを検査することはとても重要です。また、心臓が弱ってくると形も次第に変化していきます。胸部レントゲンでは心臓の大きさしか分かりませんが、超音波検査では心臓の壁の厚さを調べることで心肥大(心臓の筋肉が肥大すること)があるかどうかも調べることができます。動き
心臓の動きを検査することにより、心筋梗塞の場合は梗塞が起こり、収縮運動をしない心筋の場所がわかります。さらに心臓全体のポンプ機能(収縮能・拡張能)も数字で評価することができます。-
心臓4腔の正常な大きさと形態をした画像です。
-
心不全の方の画像で、左室左房とも拡大しています。
-
上右図の方の心収縮力(EF)を測定している図です。EFは27.8%と著明に低下しています。
血流・弁
血液の流れる速度や方向は診断にとても重要です。心臓は四つの小部屋からなり、正常な心臓では《図1》のように血液が一方向に流れています。部屋と部屋の間に四つの弁があり、血流が正しい方向に流れるようにドアの役割を果たしています。
もし弁がうまく機能しなくなって血流が逆流する場合は「弁逆流」、弁が開きにくくなって血液がスムーズに流れなくなったときは 「弁狭窄」という診断になります。
もし弁がうまく機能しなくなって血流が逆流する場合は「弁逆流」、弁が開きにくくなって血液がスムーズに流れなくなったときは 「弁狭窄」という診断になります。
血流が見える”カラードップラー法”!
超音波検査では、血液の流れる速度や方向をカラー(色)で表示することができます。弁逆流の場合は、弁のところで逆向きに流れる血流を検出することによって診断がつきます。弁狭窄のときは、開きにくくなった弁のところで加速し、速くなった血液の速度を測ることによって診断できます。このように、弁疾患の重症度も超音波検査で評価することができるのです。
プローブに近づいてくる血流が赤色、プローブから遠ざかる血流が青色、血流が速いところは明るく表示されます
ドップラー法では弁逆流を可視化する事や血流速度を測定し重症度判定を行っています。左図の症例では三尖弁逆流の逆流速度が3m/秒を超えており心不全状態である事が分かりました。
心臓壁の異常も見抜きます
心房中隔欠損症や心室中隔欠損症などのように、生まれつき心臓の壁に孔があいているような病気の場合も、そこを通る(孔から漏れる)異常な血流を検出することによって診断することができます。
-
矢印の部位が穴が空いている欠損孔です。
-
矢印の部位の欠損孔からシャント血流が噴出しているのをカラードップラー法で捉えた図です。